Cisco OSPFの設定方法

Cisco OSPFの設定方法

Cisco OSPFの設定方法

OSPFについてです。

 

①リンクステート型ルーティングプロトコル。

全ルーターから情報を集め、トポロジテーブル(リンクステートデータベース)
として保管。SPF(Shortest Path First)アルゴリズムを使用して
SPFツリーと言う構成図を作成。その構成図からルーティングテーブルを
作成する。

 

②イベントトリガアップデートでの高速なコンバージェンス

 

③メトリックとして帯域幅を基本としたコストを使用する。

 

④Helloパケットでのneighborの死活確認。障害の高速検出。

 

⑤エリアを使用した階層ルーティングによる効率化。

 

⑥認証機能が有る。

 

 

代表ルーターについて

●選出する理由

 

リンクステート情報交換のオーバーヘッドを削減し、帯域幅を節約する。

 

●選出ルールについて

 

①優先度(Priority 0~255)の値が大きいルーターからDR、BDRが
選出されます。0の場合はDRに選出されない。デフォルト値は1。

 

②優先度が同一なら、ROUTER IDが大きいルータから。
ROUTER IDは、ループバックインタフェース。設定していなければ物理
インタフェースで一番大きい値。ROUTER IDはOSPFで重要な値であるから
変更が発生しないループバックインタフェースで設定することが多い。

 

●DR

designated router、代表ルータ

 

●BDR

backup designated router、バックアップ代表ルータ

 

●DROTHER

DRにもBDRにも選出されなかったルータ

 

・DR、BDRの選出を行うもの

ブロードキャストマルチアクセス(イーサネット等)、非ブロードキャストマルチアクセス
[NBMA](フレームリレー等)

 

・DR、BDRの選出を行わないもの

ポイントツーポイントネットワーク(PPP、HDLC)

 

 

パケットについて

●Hello ネイバーと隣接関係を結ぶためと、生存確認に使用。

 

●DBD  Database Description、データベースのやり取りに使用。

 

●LSR  LinkState Request、アドバタイズの送信要求に使用。

 

●LSU  LinkState Update、LSAをまとめたもので、リンクステート情報を渡す。

 

●LSA  LinkState ACknowledgement、LSUやDBDを受け取ったことを表す。

 

 

設定は以下の構成で試行しました。

 

 

OSPFの設定方法

①まずプロセス番号を指定してプロセスを起動する。

 

②OSPFを動作するインターフェースを指定する。

0.0.0.0はワイルドカードマスク。ホストを表している。
area 0はOSPFのエリアを表している。

 

R1(config)#router ospf 1
R1(config-router)#network 172.16.0.1 0.0.0.0 area 0
R1(config-router)#network 172.17.0.1 0.0.0.0 area 0

 

R1#sh ip route
C 172.17.0.0/16 is directly connected, FastEthernet0/1
C 172.16.0.0/16 is directly connected, FastEthernet0/0
O 172.19.0.0/16 [110/2] via 172.17.0.2, 00:01:15, FastEthernet0/1
O 172.18.0.0/16 [110/2] via 172.17.0.2, 00:01:15, FastEthernet0/1
[110/2] via 172.16.0.2, 00:01:15, FastEthernet0/0

 

アジャセンシー(adjacency 訳:隣接)が確立すると以下のメッセージが出る。
リンクステートのやり取りが出来ているということ。

00:11:07: %OSPF-5-ADJCHG: Process 1, Nbr 172.19.0.1 on
FastEthernet1/0 from LOADING to FULL, Loading Done

 

 

パケット確認

パケットを見ます。
R1#debug ip packet

06:13:38: IP: s=172.17.0.1 (local), d=224.0.0.5 (FastEthernet0/1),
len 68, sending broad/multicast
06:13:38: IP: s=172.16.0.1 (local), d=224.0.0.5 (FastEthernet0/0),
len 68, sending broad/multicast

 

マルチキャストで送っています。

 

※224から始まるIPアドレスは、特定グループのために予約されたアドレス。

224.0.0.0 予約

 

224.0.0.1 そのネットワークの全ノード

 

224.0.0.2 そのネットワークの全ルータ

 

224.0.0.5 OSPF対応のルータ

 

224.0.0.9 RIP2対応のルータ

 

224.0.0.10 IGRP対応のルータ

 

224.0.1.1 NTPプロトコル

 

 

 

 

パッシブインターフェースを有効に

パッシブインターフェースを有効にします。

R1(config)#router ospf 1
R1(config-router)#passive-interface fa0/0

 

アジャセンシーが確立出来なくなりました。

06:31:24: %OSPF-5-ADJCHG: Process 1, Nbr 172.18.0.1 on FastEthernet0/0
from FULL to DOWN, Neighbor Down: Interface down or detached

 

送信しなくなったため、ネイバーも確立されなくなりました。

R1#sh ip ospf neighbor
Neighbor ID Pri State Dead Time Address Interface
3.3.3.3 1 FULL/DR 00:00:33 172.17.0.2 FastEthernet0/1

 

R1#sh ip protocols
Routing Protocol is"ospf 1"
Passive Interface(s):
FastEthernet0/0

 

※全インターフェースでパッシブインターフェースを有効にするには

R1(config)#router ospf 1
R1(config-router)#passive-interface default

 

※個別のインターフェースでパッシブインターフェースを無効にする。

R1(config-router)#no passive-interface fa0/0

 

以上です。