Puppy LinuxでのClamAVの設定方法

Puppy LinuxでのClamAVの設定方法

Puppy LinuxでのClamAVの設定方法

Puppy Linuxへウィルス対策ソフト(ClamAV)をインストールし設定する方法です。
ClamAVは無料で使用できるのが良いですね。

 

 

また、本ページでは以下の2通りの方法を記載しています。使いやすさ
で言うと「PETファイルを使用してClamAVをインストール」が良いですね。

PETファイルを使用してClamAVをインストール

 

tar.gzファイルを使用してClamAVをインストール

 

本ページの目次

 

PETファイルを使用してClamAVをインストールする方法

 

ディレクトリの作成

まずソフトの保管用ディレクトリとインストール用(起動用)ディレクトリを作成します。
どちらも個人保存ファイル外であるPuppy Linuxのインストール方法で作成した
データ用ドライブ(data)で作成しようと思います。

 

まず端末を起動します。

 

 

ソフトの保管用ディレクトリを作成します。

 

mkdir /mnt/data/soft

 

インストール用ディレクトリを作成します。

 

mkdir /mnt/data/opt

 

 

ClamAVポータブルのダウンロード

以下のURLで紹介されておられるclamav-portableを利用することにしました。

 

ClamAV-portable

 

PuppyLinuxのWEBブラウザを起動します。初回起動のため
「同意します」をクリックしました。

 

 

 

以下のURLの「clamav-portable-0.2.tar.gz」をダウンロードします。
http://shinobar.server-on.net/puppy/opt/

 

保存先は、先ほど作成した「ソフトの保管用ディレクトリ」(/mnt/data/soft)にしました。

 

 

 

ClamAVの設置と起動

 

端末を起動します。

 

ソフトの保管用ディレクトリへ移動します。

 

cd /mnt/data/soft

 

解凍します。

 

tar zxvf clamav-portable-0.2.tar.gz

 

解凍したディレクトリをインストール用(起動用)ディレクトリへ移動させます。

 

mv clamav-portable-0.2 /mnt/data/opt/

 

ひとくちメモ

※個人保存ファイルを使用してPuppy Linuxを起動しているため、
もしも「/rootや/usrなどへclamav-portable-0.2を移動した」場合は、
イコール「個人保存ファイルの中へ移動した」ことになります。

 

個人保存ファイルを512MBで作成した場合は、ウィルスデータ
ベースの更新だけでも約100M程度のデータベースをダウンロード
することになるため、容量の少ない個人保存ファイルの中(/rootや
/usrなど)へ保存するよりも個人保存ファイル外で保存した方が
良いかなと思います。または容量の少ない個人保存ファイルの場合は
個人保存ファイルのリサイズを検討しても良いかと思います。

 

※個人保存ファイルの中(/rootや/usrなど)とは、個人保存ファイルを
デフォルト値から変更せずに作成した場合は、イコール「/mnt/home
/precise/precisesave.4faの中」のことです。precisesave.4faを
クリック(マウント)すると中身が見られます。

 

ファイルにて/mnt/data/optに移動し、
「clamav-portable-0.2」を左クリック1回で起動します。

 

※「clamav-portable-0.2」はアプリケーションディレクトリです。
このディレクトリの中身を見る場合は、右クリックし、「内容を見る」です。

 

 

 

ウィルスデータベースの更新

 

「1 ウィルス・データベースの更新」を選択し、「OK」をクリックします。

 

 

 

更新後、/mnt/data/opt/clamav-portable-0.2ディレクトリの
サイズを確認すると最初が15Mくらいだったので、100M程度大きくなっていました。

 

 

 

データベースの自動更新

 

「2 データベースの自動更新」を選択し、「OK」をクリックします。

 

 

 

「自動更新」を選択しました。

 

 

 

ウィルス・スキャン

 

まずは/rootディレクトリへ移動し、テストウィルスファイルのeicar.comを
/rootへダウンロードしておきます。

 

wget http://www.trendmicro.com/ftp/products/eicar-file/eicar.com

 

 

 

「3 ウィルス・スキャン」を選択し、「OK」をクリックします。

 

 

 

スキャン対象のパスは「/root」と入力しました。

 

 

 

infected files(感染ファイル)は1と表示されていますね。

 

また、この時点で「/root/eicar.com」が「/mnt/data/opt/clamav-portable-0.2
/clamav/virus」ディレクトリへ自動で移動します。

 

 

 

感染ファイルの表示

 

「4 感染ファイルの表示」を選択し、「OK」をクリックします。

 

 

 

「/mnt/data/opt/clamav-portable-0.2/clamav/virus」ディレクトリが開きます。

 

上述の通り、スキャンを行うと「/root/eicar.com」が「/mnt/data/opt/clamav-
portable-0.2/clamav/virus」ディレクトリへ自動で移動しましたので
(テストウィルスを)削除しやすいですね。

 

 

 

スキャンのログは、clamscan.logに都度、追記されていきます。

 

 

 

検知された感染ファイルのログは、clamscan-FOUND.logに都度、追記されていきます。

 

 

 

.tar.gzファイルを使用してClamAVをインストールする方法

 

本項目の流れは、コンパイル用にdevxをインストールし、ClamAVをコンパイルし
インストールとなります。

 

 

(a) ClamAV(.tar.gz)をコンパイルするためにdevxをインストール

 

ディレクトリの作成

まずソフトの保管用ディレクトリとインストール用ディレクトリを作成します。
どちらも個人保存ファイル外であるPuppy Linuxのインストール方法で作成した
データ用ドライブ(data)で作成しようと思います。

 

まず端末を起動します。

 

 

ソフトの保管用ディレクトリを作成します。

 

mkdir /mnt/data/soft

 

インストール用ディレクトリを作成します。

 

mkdir /mnt/data/opt

 

 

ClamAVのダウンロードと保管

 

ClamAVのサイトから.tar.gzファイルをダウンロードするため
「download」をクリックします。

 

 

 

「download source」をクリックします。

 

 

 

保存先は、先ほど作成した「ソフトの保管用ディレクトリ」(/mnt/data/soft)にしました。

 

 

 

ソフトの保管用ディレクトリへ移動します。

 

cd /mnt/data/soft

 

解凍します。

 

tar zxvf clamav-0.98.7.tar.gz

 

解凍されたディレクトリへ移動します。

 

mv clamav-0.98.7

 

Makefileを生成するためconfigureを実行します。
prefixでインストール先は/mnt/data/opt/clamavディレクトリとしました。
clamavディレクトリは、この時点で作成されるため、事前に作成しておくのは
前述の通り、/mnt/data/optディレクトリ1つのみです。

 

prefixでの指定無き場合は/usr/localにインストールされるのではないかなと
思います。/usr/localはPuppy Linuxの個人保存ファイル内のため、避けました。

 

./configure prefix=/mnt/data/opt/clamav

 

「Configure: error: no acceptable C compiler found in $PATH」
Cのコンパイラが無いとのエラーとなりました。CentOSだとGCCを
インストールする流れですね。

 

 

 

そのためdevxをインストールします。

 

devx_precise_5.7.1.sfsが以下のURLにて公開されておられましたので、
ダウンロードしました。

 

http://openlab.jp/puppylinux/download/puppy-5.7.1JP/opt/

 

 

 

 

保存先は、先ほど作成した「ソフトの保管用ディレクトリ」
(/mnt/data/soft)にしました。

 

 

 

devx_precise_5.7.1.sfsをインストール(ロード)するために
「メニュー」→「セットアップ」→「SFS-Load オンザフライ」をクリックします。

 

 

 

「ファイル」アイコンをクリックします。

 

 

 

「devx_precise_5.7.1.sfs」を選択し、「OK」をクリックします。

 

 

 

「ロード」をクリックします。

 

 

 

「OK」をクリックします。

 

 

 

/mnt/homeへコピーするため、「コピー」をクリックします。

 

 

 

「終了」をクリックします。

 

SFSファイルをロード(インストール)するポイントは、アンロードするまでは
ファイルの削除/移動は行わないということです。
オリジナルは移動/削除しても構いません。

 

 

 

(b) tar.gzファイルを使用してClamAVをインストール

 

 

再度、先ほどの「clamav-0.98.7」ディレクトリでMakefileを生成するため
configureを実行します。

 

cd /mnt/data/soft/clamav-0.98.7

 

./configure prefix=/mnt/data/opt/clamav

 

※その他の機能も使用する場合は「--enable-milter」(メールスキャニング機能)など。
オプションの詳細はClamAVのドキュメント(英語)に説明が有りました。

 

makeします。15分程度で終了します。

 

make

 

make installします。

 

make install

 

/mnt/data/optディレクトリに、clamavディレクトリが作成されました。

 

 

 

(c) ウィルスデータベース更新(freshclam)の設定と実行

 

freshclam.conf.sampleからfreshclam.confを作成

 

cd /mnt/data/opt/clamav/etc/

 

cp freshclam.conf.sample /mnt/data/opt/clamav/etc/freshclam.conf

 

freshclam.confの編集

 

vi /mnt/data/opt/clamav/etc/freshclam.conf

変更前

 

example

 

#DatabeseOwner clamav

 

変更後

 

# example

 

DatabeseOwner root

 

 

clamavディレクトリの作成

 

mkdir /mnt/data/opt/clamav/share/clamav

 

binディレクトリへ移動

 

cd /mnt/data/opt/clamav/bin/

 

ウィルスデータベースを更新するため、フレッシュクラムの実行

 

./freshclam

 

今後はどのディレクトリにいてもfreshclamを実行できるようにパスを通すか
シンボリックリンクリンクを設定しようと思います。

 

今回はfreshclam、clamscan、clamdscanの3つのシンボリックリンクを作成しました。

 

ln -s /mnt/data/opt/clamav/bin/freshclam /bin/

 

ln -s /mnt/data/opt/clamav/bin/clamscan /bin/

 

ln -s /mnt/data/opt/clamav/bin/clamdscan /bin/

 

以降はどのディレクトリにいてもfreshclam、clamscan、clamdscanを実行できるようになります。

 

 

 

(d) ウィルススキャンの実行

 

clamscan -r --remove

 

-r、(--recursive)
サブディレクトリごと再帰的に検査。圧縮ファイルは再帰的に解凍して検査

 

--remove
ウイルスに感染したファイルを削除する

 

コマンドの詳細は以下のページに記載しました。

 

ClamAV(Clam AntiVirus)の設定方法